2011年6月を起点にしたチャートをみると、HDVよりVYMのほうが成績が良いことがわかります。
2016年6月ごろまでは一進一退でしたが、そのあとは明らかにVYMが成長しています。
このころ、米国で何があったのでしょうか?
実はこの時期、トランプとクリントンの激しい大統領選が行われていたころです。
そして、同年11月にトランプ氏が大統領選の勝利宣言します。
トランプ大領領の就任がHDVとVYMの成績に影響を与えた可能性もありますが、VYMとHDVのセクター配分を比べると、もうひとつの側面に気が付きます。
VYMは、各セクターの配分バランスが良く、アメリカ経済の成長に連れだって成長しているようにみえます。
HDVは、エネルギーと電気通信のセクターの比重が多く、とりわけエネルギー業界の業績悪化が顕著にあらわれたのだと思います。
シェール革命により世界一の産油国となったアメリカでは、原油の需給バランスが崩れたことで原油価格が暴落し、結果的にオイルメジャーの業績悪化につなっがったという話しでしょう。
要するに、VYMは特定のセクターの依存度を平均化しているので、原油価格の暴落の影響を小さくすることができ、HDVはもろにリスクをかぶったという話しです。
とはいえ、HDVがポンコツという話しではありません。
HDVが目指すベンチ指標は次の通り。
・財務健全性が高く、同時に持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国企業への投資機会を提供する。
・同指数は75銘柄で構成されており、投資家に配当を支払うことのできる資金余力(配当力)によってウェイト付けを行う。
つまり、財務健全性が高く、市場平均以上の配当利回りを誇る、優良米国企業の上位75社で構成するという話しです。
このことを裏付けるように、HDVの銘柄は頻繁に入れ替わっており、ベンチマークに追従しようとしていることがわかります。
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